大棚山 1971.4.25

地方選の日曜日、阿部奥の取っ付きにある大棚山に登る。谷沢行きのバスで終点の一つ手前、栗島で下車。沢に沿って遡り、右手の沢へ「右相澤」の指導標に従ってコンクリートの橋を渡る。打越峠をへて玉川村へ出る筈。相澤部落までは林道、車も通る。部落から先は沢に沿って古典的な山径が続く。全く素晴らしい径。次第に沢が細くなるにつれ、径も細くなり、丸木橋で左岸に渡ると高捲きにかかる。ここからは少しモダンな登りで、杉並木の中を直登する。そのうち径らしいものは無くなって、踏跡ていどになり、杉林と開けた植林地との境を直登する。ワラビがニョキニョキ至るところにあり、登路に近いのだけ折ってもかなり採れる。

やっと稜線にでると径があって、左へ大棚山の方へ辿る。所々藪が深い。途中、牛が峰の見える、開けた木陰でパンを食べる。安倍川からみて木立の切れる稜線は、ああここだな、とすぐわかる。その上は植林して間もないところでカヤトになっている。幅広い頂を過ぎると、林の中を下り、再び登った所が前と同じくらいの高さではあるが頂上らしい。三角点を見つける気にもならない平らな頂上。

少し前の上方で谷沢の方へ下りている尾根に見当をつけて行ってみると、果たして径がある。急な下り。尾根通しに釜石峠へ行く径は相当な藪を覚悟しなければならない。頂上には15:00頃。

ワラビを採りながら下り、途中尾根が広くなった雑木林の中で径を見失うが、ここは尾根通しにまっすぐ下る。やがて右斜面に茶畑が見えるが、径は左に、うっそうとした林の中を椎茸原木の積まれた間をジグザグに下る。林を出外れると茶畑で、まもなく奥長島部落に入る。ここから谷沢バス停まで30分。

谷沢に着くとバスは出たばかりで1時間くらい待たなければならない。ジーッとしているのもシャクとラムネを1本飲んで歩く。グングン歩いて、結局舟沢バス停まで行ってバスに追いつかれた。

敷地でハイキング・パーティーに会った。バスの中で見ると焼津労山とネームの入ったシャツを着ていた。勤労者山岳会であろう。きれいな娘はいなかった。